しあわせのパン

しあわせのパン

東京から北海道の月浦に移り住み、湖が見渡せる丘の上でパンカフェ[マーニ]を始めた夫婦、りえさんと水縞くん。
水縞くんがパンを焼き、りえさんがそれに合うコーヒーを淹れ、料理をつくる。そこには、日々いろんなお客さまがやってくる。
バイクで3時間かけてお店にやってくるトキオと沖縄旅行をすっぽかされた傷心のカオリ、口をきかない少女と父親、想い出の地に再びやってきた老人とその妻。
それぞれの季節にさまざまな想いを抱いて店を訪れた彼らが見つけた、心の中の“しあわせ”とは?
そして彼らを見守るりえさんと水縞くんに訪れることとは?
→「しあわせのパン」オフィシャルサイト


「しあわせのパン」 映画予告

カップにコーヒーが注がれる音、
パンを焼く釜の中でパチパチとはじける炎の音、
パンをちぎる音、
四季を彩る美しい景色、
闇夜に浮かぶ月の光、
ギュッと雪を踏む音。

言葉にするとなんでもないようなことだけど、現代人の生活とは距離のある光景。
いつしか誰もがほのかに憧れ、心和むできごと。
この映画には、そんなアイテムがぎっしりと詰め込まれた、究極のヒーリングムービーかもしれません。

みんなをあたたかく包み込むようなやさしいりえさん。
それを横で静かに見守りながら支える水縞くん。
そんなふたりの人へのおもてなし、そこへ集まる人たちの幸せそうな笑顔、
透き通るような美しい映像、スクリーンのむこうから薫るような心をこめて作られた食べ物たち、
スクリーンを見つめていただけで、いつしか大粒の涙で頬が濡れていました。

そして原田知世さん。。。とても美しいのです。
彼女のもつ独特な空気感や透明感は、彼女自身が洞爺湖の美しい景色に溶けていくよう。
心地よく鼓膜に響く声のトーン、
聖母マリアのように、包みこむようなやさしくあたたかい笑顔、
決して前に出すぎない、だけど強い存在を感じるその佇まい、
この映画は、原田知世以外ではなり得ないと思いました。

まわりを彩る俳優陣も個性豊か。
ほっとするような笑いを与えてくれ、さすがの演技の幅を見せつけてくれた、余貴美子。
その表情の演技はもう「子役」とはいえないレベルの、八木優希ちゃん。
どこかファンタジックな雰囲気を、リアルにぐっと引き寄せてくれる、光石研。
などなど。

三島有紀子監督は、実際にこの月浦で住みながら脚本を書き上げたとのこと。
景色の美しさや、そこに住む人にすっかり惚れて、ロケが終わっても何度も訪れているという。
だけど映画を観た人もきっと、北海道っていいなと思うに違いないと思います。

そうそう、ナレーションは大橋のぞみちゃんがやっているのですが、映画には出てきません。
ですが最後の最後にサプライズが。。。

あ、大泉洋。ま、いっか、彼は(笑)。

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