昭和から平成まで、それぞれの時代で生き抜いた女性を、6大女優が日本女性の美しい姿を演じます。それぞれが抱える悩み、そして人生の岐路に立たされたときに「自分らしく生きる」ことへの決意と覚悟をする、まさに日本女性の美しき生きざまを描いています。
→映画「FLowers -フラワーズ-」公式サイト
「FLowers -フラワーズ-」 映画予告
最初にこの映画を知ったとき、楽しみと不安の両方の思いでした。
たしかに、この6人の豪華女優というのはすごいです。聞いたことがありません。こんな映画。
それだけに、6輪の大花がひとつの鉢におさまったときに、ほんとにそれが美しいひとつの花となるのか心配だったのです。
つまりは、主役級6人も集めて成立するのかと。
たぶん成立させるには、オムニバス形式しかないだろうと。
オムニバスなら、映画でやる価値あるのかなぁと。
企画だけが目立つ映画ならいいやと。
そんな風に思っていました。
ところが、です。
オムニバスじゃない。
物語は、昭和初期時代の蒼井優からはじまり、
その子供が親となり、またその子供が大人になっていき、平成の時代まで続いていく。
それは3世代を一本の糸で紡ぐ、それぞれの時代を生きた、日本女性のひとつの物語となっていました。
登場する6人の女性はそれぞれ違った性格の女性で、とても魅力的な女性。
そして抱える悩みもまたそれぞれ。
その6人が、抱える問題に対峙する決意と覚悟は、
時代は違えど、変わらぬ日本女性の強さと美しさを感じました。
そして見どころは、時代ごとの映像美。
昭和初期は、小野安二郎の映画を彷彿とさせるような、モノクローム映像。
昭和中期は、寅さんをはじめ、名作が数多く生まれ、日本映画の盛隆を作り上げた時代の、
色調明るくハイキーな照明で撮影された映像。
そして、色調がブルーを基調として作られている、平成の映像。
時代とともに変わる映像の変化、
それはまるで、日本映画の歴史絵巻を見ているかのよう。
各時代を彩るメイクは、資生堂の歴史そのものも反映されているかのようです。