真木栗ノ穴

真木栗ノ穴

築40年の古いアパートに暮らす真木栗 勉(まきぐり べん)は、純文学を志す売れない小説家。
ついに仕事が無くなったところに、官能小説の仕事が舞い込む。
書いたことのない官能小説に頭を悩ませるが、ふと見つけた、壁に空いた小さな穴。
穴を覗くと、最近引っ越してきた美しい女性が隣の部屋にいた。
真木栗は取り憑かれたようにその穴をのぞき、小説を書き始めた。
そして瞬く間に小説は人気を博すが。。。

もし、あなたの部屋の壁に小さな穴を見つけたら・・・。

この映画のキャッチコピー。
ずるい。
いや、うまい。
いかにも欲深き人間の興味をそそるコピー。

よく下調べをせずにこの映画に興味を持って映画館へと足を運んだのですが、まさか「ホラー」だとは思いませんでした。。。
ホラーといっても、怖いおばけが出てきたりってわけじゃないので、耳を塞いで目を背けるというようなシーンはないのですが、ジワジワっと背筋を凍らせるような、映像と空気感がこの映画には充分にあります。

簡単に言ってしまえば、「世にも奇妙な物語 THE MOVIE」って感じでしょうか。

とはいえ、この映画の設定には素晴らしいものがあります。
「穴をのぞく」という、いかにも人間の好奇心を煽り立てる心情心理をついたものですが、映画を観ているとこれが見事にハマってしまい、真木栗と同じ目線になって穴をのぞくことへの快感を覚えてしまっているのです。

「もうこれ以上見ちゃいけない、見ると何か悪いことが起きそう。」とは思ってはいるのですが、「やっぱりあの穴をのぞいてみたい」という、穴の向こう側で繰り広げられる出来事にワクワクドキドキしてしまう自分がいました。

主役の西島秀俊は、こういった普通の人を演じさせるとホントに上手。
でしゃばった演技がなくてとても自然。
なのにしっかりとキャラは立つ。すごいなぁ。

「怨み屋本舗」で主演を務めた木下あゆ美も存在感があって良かったな。

→「真木栗ノ穴」オフィシャルサイト

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