きっぷをなくして

きっぷをなくして 池澤夏樹

少年イタルは趣味で集めている記念切手を買いに電車に乗って出かけた。改札を出ようとするとキップが無いことに気付く。「キップがなければ駅から出られない」と少女に言われ、促されるままに付いて行くとそこには、駅でキップをなくした子供たちが暮らしていた。

キップをなくした子供たちが「駅の子」となって駅の仕事を手伝いながら暮らし、
汽車に乗って旅をするというファンタジー冒険小説。

なんか久しぶりに子供目線の小説を読んで、心が洗われた気分です。
子供って純粋だなーとか、
自分も子供の時はこう思ったのかなーとか、
子供って案外大人が考えているよりずっと大人なんだな、
とか、そんなことを考えさせられました。
素直な気持ちで楽しく読めて、甘酸っぱい感情を思い起こさせるような小説です。

一緒に暮らす子供たちに、ミンちゃんという女の子が出てくるのですが、
このコはすでに事故で亡くなっているコなんです。
幽霊・・・ってことなんですが、子供たちには普通に見えていてもちろん怖くなんかない。
このミンちゃんがいつ天国に行くかは自分で決めなければならない。
そこで子供たちは、「死ぬ」ということを本気で考えだすんです。
もちろん、死ぬなんてことは大人ですらわからないことなんですが、
その答えを子供たちに教えてくれる人が出てきて、なるほどと思いました。

子供たちの共同生活や駅の仕事、そして旅をして死のことを考える。
子供たちはいろんなことを体験し成長していく。
自分も子供の頃に体験したちょっとした冒険や、抱いていた疑問を思い起こしてみたりしました。

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