春琴抄

春琴抄

薬屋の娘「春琴」は、美しい容姿だけでなく三味線の才能にも恵まれ、まわりから一目置かれる存在であっが、た子供のころに盲目になってしまい、それからというもののすっかり心を閉ざしてしまう。
四歳年上で奉公人の「佐助」は春琴の出稽古に付き添ううちに自分も春琴のように三味線を弾きたいと思い、夜中にこっそりと稽古をするがばれてしまう。しかし、その出来事が春琴と佐助を深い関係へと結ぶことになる。
春琴はその才能や性格によって、まわりから妬み嫉みを受けるが、佐助は春琴を献身的に支えていく。

昭和26年に描かれた谷崎潤一郎の代表作ともいえる作品が、この「春琴抄」。
奉公人が奉公先の娘に特別な想いを抱き、自分を捨ててまでも献身的な愛で支えるという、純粋と官能が表裏一体の作品。

薬屋の金持ちの家に生まれ、小さい頃から美しく、飛びぬけた三味線の才能をもつ春琴。
人より抜きん出た人間はとかく他人から妬まれやすいのだけれども、春琴は子供の頃に盲目になり、そのころからわがままや人当たりがきつくなり、いろんなところで敵を多く作ってしまう。

そんな春琴を無償の愛で献身的に支える奉公人の佐助。
この佐助も春琴からは他人より何倍もきつく叱られたり、時には手をあげられたりしている。
それでも寒い夜は春琴の足を胸の中で暖めたり、トイレの下の世話などもすべて佐助がひとりでやって、春琴からひとときも離れず献身的に仕えつづける。
春琴も口には決して出さないが、佐助の存在がなくてはならない人だとわかっていた。

春琴の気高く誇り高い女性像と、自分を顧みず春琴のためだけに生きる佐助、当時の人たちはこの本をどのように思い、読んでいたのだろう。

→「春琴抄」を購入する(amazon)

pagetop