夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

同じクラブの後輩の女の子にひとめぼれし、彼女の後を追い求める「先輩」。
偶然の出会いを演出して彼女の気を引こうとする「先輩」だが、そんな先輩の気も知らず、彼女は「よく会いますね」と言うだけで気にもとめない。
京都の街を舞台に繰り広げられるボーイミーツガール。
「先輩」の外堀埋め作戦の結果やいかに。

クラシカルで清流のように涼やかに流れる独特な文章表現。
そして、登場する個性溢れるキャラクターたち。
この小説の最大の魅力はそこだと思う。
以前にもこんな感覚を覚えた本を読んだことがあるなぁと思いましたが思い出せません。。。
なんだか心が洗われ、じんわりと楽しくなってくる。
そんな気持ちにさせてくれる本です。

4章に別れて構成されていますが、章ごとにすべて舞台が変わり、常識を超越した摩訶不思議な出来事が待ち受けています。
出てくる脇役もどれもみんなおもしろく、誰一人として憎むことのできない愛すべきキャラクターばかり。
そして、思いがけない出来事の中で、先輩と彼女は幾度となくニアミスを繰り返します。
うーーーん、とてもはがゆい。でもそこがおもしろい!

そして「彼女」のキャラクターがとてもいいーんです。
常におもしろいことを求め、誰からも愛される明るくて優しい女の子。どんなこともポジティブな姿勢と笑顔で乗り切ってしまう。
彼女の人間としてのキャパシティの広さが物語の中で見え隠れしています。
それに反して「先輩」はドジばっかでなにひとつうまくいかない。
何をやってもすべて裏目に出てしまう「先輩」がとても愛らしくも感じてきます。
まさに両極のふたりが繰り広げる恋愛小説です。

果たして、くじけずに何度も彼女への接近を試みる「先輩」の努力は実を結ぶのか!?

RELEASE INFO
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